ローソクの歴史

目次

●ローソクの歴史

ローソクは、世界各地で独自に発達している。

縒り糸や紙を縒り合わせたものを芯にし、蝋やパラフィンを円柱状に

成形して灯火に用いるものである。

蝋または蝋と似た性質のものを燃料に使ったことから始まり、古代エジプト

の遺跡から燭台が見つかった事から、人類で最も古いロウソクが

使われていたと考えられている。

ロウソクの起源は、蝋(蜜蝋)や木の皮、ブドウのつるや、その他木片等を

束ねた松明(たいまつ)から発達したものと考えられている。

古くはエジプト人やギリシャ人に知られ、紀元前3世紀ギリシャ時代末期に

発見されたと言われています。

●日本のろうそくの歴史

日本におけるロウソクの歴史は、奈良時代。

722年(奈良時代)中国から仏教の伝来と共に蜜ロウソクが伝わったと

言われています。

 元正天皇から大安寺に賜った品目にロウソクの名がありました。

1000年頃(平安時代)遣唐使の中止により、中国からの蜜ロウソクの

輸入が無くなり、蜜ロウソクに代わり松脂ロウソクの製造が始まったと

言われています。

1375年(室町時代) 木蝋(もくろう)=和蝋燭(わろうそく)が

誕生しました。

原料は「はぜ」や漆の脂です。

1603年頃(江戸時代)木蝋(和蝋燭)の原料となる「はぜの木」が

琉球から伝わり、また、外出用の提灯の需要と共に、これまで贅沢品であった

和蝋燭の製造が増加しました。

当時、和蝋燭は提灯に入れて使用していたため、蝋が減ってきても炎の高さが

変わりにくいように上部が太い造りになっています。

明治時代になると、「ステアリン」を原料とする西洋ローソクが

ブラコノー・シナモンによって世界で初めて製造されました。

1830年頃には「パラフィンワックス」を原料とするローソクが製造され、

日本でも西洋ローソクが輸入、製造されるようになりました。

     ※ステアリン

     ※ブラコノー・シナモン

ローソクも使われる国によって様々な歴史があります。

●ヨーロッパのキャンドルの歴史

 9世紀はじめ頃よりヨーロッパでは獣脂がキャンドルに使われていました。

 規則正しく燃え、甘く芳香を放つ蜜蝋燭はとても高価で贅沢なもので

 したから、裕福な上流階級の家庭や寺院、儀式以外ではあまり

 使われませんでした。

 一般的には手に入りやすい獣脂ローソクが使われたのです。

 獣脂ローソクは価格の安いことが魅力でしたが、半時間に一回の芯切りが

 必要あったり、煙や不快な臭いがあるのが欠点でした。

●アメリカのキャンドルの歴史

 アメリカ大陸ではワックスマートル(シロヤマモモ)の果実

(ベイベリー)から採れたベイベリー・ワックスが高級ローソクの

 原料とされました。

 芳香を放ち、油煙が少なく、17世紀頃には手作りのベイベリーローソクが

 照明用として使われていたそうです。

 しかし19世紀頃には、洗練されたオイルランプやガス灯などの

 照明が盛んに使用されるようになり、ローソクの使用量は減り始めました。

 また、新たなローソクの原料として、安価な石油由来のパラフィン・ワックス

 が大量供給されるようになりました。

●イギリスのキャンドルの歴史

 パラフィン・ワックスは19世紀に発見され、1850年代にイギリスで

 初めて製造されました。

 それ以降、ヨーロッパやアメリカでも生産されるようになり、

 それまでは様々な蝋で作られていたキャンドルの多くがパラフィンで

 作られるようになりました。

~~ 蜜蝋(みつろう)とは ~~

 蜜蝋とは、ミツバチの巣の蜂が分泌する蝋分で作られていて

 その巣から蝋分だけを採り出し精製したものである。

 奈良時代にはとても貴重で高価なものであったため、宮廷や一部の寺院でしか

 使われませんでした。

 蜜蝋燭は燃料が安定するため、炎の形が丸みを帯びていてとても美しく、

 油煙も少なく、ほのかな甘い香りがするなど特徴が多く、ご進物として

 お使いになる方も多いです。

 最近では、蜜蝋燭に季節の花をプリントし、ご進物としての華やかさや、

 故人のお好みのお花を選ぶなど、お気遣いのある選び方をされる方が

 増えました。