玉虫塗:宮城県の伝統工芸技法で作る美しい玉虫塗位牌!

玉虫塗:宮城県の伝統工芸技法で作る美しい玉虫塗位牌!

2019.05.22
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玉虫塗 :ふたきやの実店舗・ネット通販ともに大人気のお位牌【玉虫塗位牌シリーズ】が誠に残念ではございますが、今年で製造終了との事を製造メーカーから報告を受けました。今現在制作された玉虫塗位牌で製造は最後という事で数に限りはございますが出来る限り当店でもご用意させて頂きました。牌には様々な伝統技法が用いられ、この玉虫塗位牌もその伝統工芸の技法の一つであり、他のお位牌には無い玉虫塗の技法でしか表現できない美しいお位牌でとても人気のあるお位牌でした。またいつの日か製造再開される事を願っています。

目次

初めに!玉虫塗とは・・・

●伝統的技法と近代技術が出会い漆器の可能性を広げた仙台生まれの漆芸

漆の下から照り返すように銀粉が浮かび上がり、艶やかな光沢を生み出す「玉虫塗」。この「玉虫塗」は、昭和初期に国策として開発された独特の技法です。玉虫塗は、昭和初期に仙台にあった国立工芸指導所で開発されました。
国立工芸指導所とは、1928(昭和3)年に商工省(現在の経済産業省)が作った日本で初めて、全国で唯一の国の工芸デザイン指導機関です。日本工芸の近代化と、東北の産業を開発することを目的として設立され、「見る工芸」から「使う工芸」を目指して、木工・漆工などのデザイン研究や技術開発を行いました。
現在の宮城野区五輪に設立された工芸指導所は、顧問にはドイツの建築家ブルーノ・タウトを招き、世界的デザイナーの剣持勇らを輩出するなど、日本の工芸デザインの基盤を作りました。玉虫塗は、1932(昭和7)年に当時の指導所所員だった漆芸家小岩峻(作家名は古明)によって発明されました。指導所では外貨獲得のため、当時さかんに輸出されていた工芸品を、良質に量産する技術の開発、外国人の嗜好に合う色とデザインの改良が行われていました。漆工の分野で大きな課題となっていたのが「色彩」でした。試行錯誤を繰り返す中で小岩が発明したのが、伝統的な下地を施した器に、銀粉やアルミニウムを蒔き、その上から染料を加えた透明な漆を吹き付けて仕上げるという技法です。こうして、輸出用に生産量、納期を安定させ、外国人の好みに合う色合いを生み出す画期的な技術を完成させたのです。

●世界に向けた新しい「用の美」を目指し独自の発展を遂げた玉虫塗

工芸指導所で誕生した玉虫塗を、仙台を代表する工芸品に育てたのは、現・東北工芸製作所の初代社長佐浦元次郎です。東北工芸製作所は、工芸指導所と、KS鋼で有名な東北帝国大学(現在の東北大学)の金属材料研究所の支援を受けて、1933(昭和8)年に設立されました。1935(昭和10)年に玉虫塗の特許実施権を得ると、玉虫塗の商品開発が本格化。戦後、自宅のすぐ近くの簡易保険局が接収され、多くの進駐軍の米兵たちが行き来するようになると、元次郎は進駐軍の家族向けに、当時はまだめずらしかったコーヒーカップやサラダボールなどの洋食器を次々と製作し営業。店も土足で上がれるよう改築しました。モダンで艶やかな玉虫塗はたちまち話題となり、たくさんの外国人が店に訪れるようになりました。進駐軍が撤退した後は、国内向けに身近な暮らしの道具を数多く販売し、一般家庭でも広く用いられるようになりました。そして1985(昭和60)年に宮城県より伝統的工芸品の指定を受けると、このころから天皇陛下への献上品や県の記念品など、贈答用・記念品需要も増え、仙台を代表する銘産品として、親しまれるようになりました。玉虫塗は、近代工芸デザイン発祥の地仙台で、伝統的技法と近代技術が出会い、産官学が連携して生まれた工芸品なのです。そして東北工芸製作所はこれからも、「使う工芸」という指導所の教えを引き継ぎ、使い手の暮らしに寄り添いながらさらなる玉虫塗の進化を目指していきます。

上記掲載文引用元:東北工芸製作所

玉虫塗 で作られた位牌【みちのくの萩】

上記で説明した玉虫塗技法で作成された位牌がこちらの【みちのくの萩】です。当店で販売し始めたのは約10年程前のことです。発売当初からとても人気のあるお位牌でした。現在でも大人気のお位牌となります。何故?そこまで人気があるのかと言いますとやはりこの玉虫塗の美しさではないでしょうか。あとは、昔ながらの伝統型のお仏壇にも相性が良く、現代的に作られたモダン仏壇にも相性が良いというのが人気の秘訣だと思います。

●玉虫塗の美しさ

玉虫塗位牌【みちのくの萩】は緑と赤の2色があり、札板は下段から上段にかけて、どちらもお位牌もとても美しいグラデーションになっています。

玉虫塗 
玉虫塗位牌【みちのくの萩】赤・緑グラデーション(正面)

玉虫塗 
玉虫塗位牌【みちのくの萩】赤・緑グラデーション(斜め)

玉虫塗 
玉虫塗位牌【みちのくの萩】赤・緑グラデーション(横面)

玉虫塗 
玉虫塗位牌【みちのくの萩】赤・緑グラデーション(裏面)

玉虫塗 
玉虫塗位牌【みちのくの萩】赤・緑グラデーション(札板)

玉虫塗 
玉虫塗位牌【みちのくの萩】赤・緑グラデーション(台座)

玉虫塗 
玉虫塗位牌【みちのくの萩】赤・緑グラデーション(台座)

下段から上段にかけてグラデーションになっており、とても美しい仕上がりになっています。透き漆を使うことでグラデーションの色が薄くなり透けてくると下地の銀粉が徐々に見えるようになり、光を反射させキラキラと輝いて見えます。塗装などでもメタリックが入った塗料も開発され現在では車などにも使用されていますが、1つの塗料がキラキラと輝くより、下地の銀粉が塗料を透けて見える方が、奥行き感がありとても高級感ある見た目になっています。これは最新の塗装技術でも難しく玉虫塗でしか出せない魅力の一つでしょう。

●製作工程詳細

研ぐ作業を繰り返した後、摺り漆(すりうるし)(漆を布などで薄く摺りつけ、そのあと和紙などで拭きとる事を指します)してから、玉虫塗独自の技法で銀粉を下地に施します。よく乾燥させてから、紅色や緑色の透明漆を塗り、呂色漆(ろいろうるし)(良質の生漆に鉄粉などを着色材として加えた無油の黒漆を言います。)を塗って、炭で研ぐ塗る研ぐの工程を経て仕上ます。漆の下に施された銀粉の淡い輝きが、玉虫塗特有の深みのある緑色の光沢とあでやかな色彩の美しさを表現しています。熟練の名工が台座に描く蒔絵の淡い色彩の萩と、緑のグラデーションが、深い味わいと上質感を感じさせます。

蒔絵とは・・・

●蒔絵(まきえ)は、漆工芸技法の一つである。

蒔絵(まきえ)は、漆工芸技法の一つである。漆器の表面に漆で絵や文様、文字などを描き、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉を「蒔く」ことで器面に定着させる技法である。金銀の薄板を定着させる「平文(ひょうもん)または、平脱(へいだつ)」や漆器表面に溝を彫って金銀箔を埋め込む「沈金(ちんきん)」、夜光貝、アワビ貝などを文様の形に切り透かしたものを貼ったり埋め込んだりする「螺鈿(らでん)」などとともに、漆器の代表的加飾技法の一つである。日本国内に現存する最古の蒔絵資料は正倉院宝物の「金銀鈿荘唐大刀(きんぎんでんそうからたち)」の鞘に施された「末金鏤作(まっきんるさく)」であり、これは2009~2010年に行われた宮内庁正倉院事務所の科学的な調査研究によって、研出蒔絵であることが確認されている。

玉虫塗位牌【みちのくの萩】緑グラデーション(台座部分)
玉虫塗位牌【みちのくの萩】緑グラデーション(台座部分)

玉虫塗位牌【みちのくの萩】赤グラデーション(札板部分)

●玉虫塗位牌【みちのくの萩】の台座部分には、萩の絵が蒔絵が描かれています。

玉虫塗位牌みちのくの萩の台座部分には、こちらも伝統技法として古くから受け継がれている【蒔絵の技法】を用いて加飾されています。グラデーションが札板部分から台座部分に向かって段々と色が濃くなっていき、その部分に蒔絵が施されることで、まるで今にも風に吹かれて動き出しそうな程、美しい萩の絵が描かれています。

今では貴重となった玉虫塗位牌!

職人の不足により、この伝統技法玉虫塗のお位牌を作ることが今では困難になってまいりました。残念ながら当店ふたきやでも現在在庫が少なくなってきており、すでに新しい玉虫塗位牌の製作は現時点ではできなくなっています。お求めの方はお早めにお願い申し上げます。

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